パプリカ｜おじさんの理想の女性像とはこういうものか！？

ゲームしたいのにゲームができない、ゴリラのKada(@Kada_Se)です。
本日は小説を読みました。

とある書店に平積みされていた小説です。
帯はこんな感じ。

「ヤバイ方のパプリカ」

めっちゃ秀逸なコピーだと思う。
しかも、ちょうど米津玄師の『パプリカ』が流行ってた時期だから、なおさら面白いです。

この小説が原作の、アニメ映画があることも知っていました（前から見てみたいと思ってたけどまだ見れてない！）私は先に原作を読んでから映画を見たい派なので、これを機に購入しました。

この本はどんな本？

同名アニメ映画の原作。精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者・サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「ＤＣミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する！
Amazon商品紹介より

主人公は、精神医学研究所に勤める千葉敦子。
研究機関でサイコセラピー機器の開発をしているノーベ賞級の科学者です。

彼女には隠された顔がありました。
他人の夢を垣間見て、夢の中にシンクロし、精神治療を行う夢探偵。
その名もパプリカ。

千葉敦子と研究所の同僚である時田は、DCミニと呼ばれる精神治療用の最新機器を開発しました。
しかし、DCミニを悪用し、人の精神を攻撃する敵が出現。
千葉敦子＝パプリカは、仲間と協力して敵に立ち向かう。というストーリーです。

一言で表すと、
SFとエロティシズムを併せ持つ冒険活劇です。

パプリカはおじさんの理想の女性像？？

ぶっちゃけると、この本を中盤まで読んだときの感想は、
「千葉敦子があんまり好きになれない・・・」
でした。

精神治療のためとはいえ、妻子ある方と体を重ねたり・・・
本命がいるのに別の男性に惚れそうになったり・・・
敵（イケメン）に強姦されかけたのに受け入れたり・・・
~~（最終的に、男性側が不能になったことについてコテンパンにしてたけど。）~~

女性から見て、どうしても主人公の行動に共感ができないことが引っかかってました。

ただ、最後の斎藤美奈子さんの解説を読んで理解しました。

ありていにいって、パプリカは「オジサンの妄想の産物」みたいなキャラクターだったりしないだろうか？さらにいえば千葉敦子だって男の妄想の産物といえば産物だ。彼女はつまり、「知的な大人の女性も、キュートな少女もどっちもいいなあ」という男たちの願望を丸めて団子にしちゃったような女性像なのである。
p481 解説より

なるほど！！
おじさんの気持ちからしたらそりゃこんな女性は素敵だわ！！

知性があって、クールで上品。
だけど、可愛くて若い少女（パプリカ）の見た目にもなれる。
どんなにブサイクで太っている男性でも愛してくれて、
男性の良いところを見つけて、どんな人も受け入れてくれる。
~~（あと性に対して感じやすい）~~

というわけで、図らずもこの小説を読んで「オジサンの理想の女性像」を知りました。勿論この女性像が完全なる理想ではないけれど・・・。

あえて、パプリカを圧倒的な理想、非現実的な存在として描くことで、
物語のフィクション性＝『夢』であることを際立たせたいという著者の意図も隠されているような気がしています。

そんな主人公が、第二部では戦うヒロインとなって、敵とバトルを繰り広げます。一気に物語のテンションも上がり、非常に面白い展開でした。