将来AIが発達したら、仕事がなくなるかもしれないってよく聞くよね。
何をすればいいんだろう?
知的生産の技術を身につけて、AIにできない分野で活躍しよう。
AIの台頭により、多くの仕事が将来失われると言われて早数年。
自分の将来を、なんとなく不安に思う方もいるのではないでしょうか?
私は薬剤師として働いていますが、薬の薬効・作用から飲み合わせを判断することは、AI分析の得意領域です。
今のままで仕事を続けることはできないと考えています。
AIに負けないために、何を勉強すればいいでしょうか?
その答えは、知的生産の技術を身に着けることです。
知的生産力を磨き、人生を楽しくするために本を読みました。「調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意 (佐藤 優)」です。
もくじ
人生の充実度を増やすためのスキル、知的生産力とは何か?
本書の著者は、佐藤 優さん。外務省でロシア外交に携わり、現在は作家として活動されています。
月300~500冊読み、1200ページもの執筆活動をされているすごい方です。
読書を活用した知的生産術や、本の読み方・書き方に関する著作を多く執筆しています。
私が大好きな著者の一人です。
本書の目標は、「知的生産力」を身に着けることで人生の充実度を増やすことにあります。
知的生産力ってなんのこと?
知的生産とは、得た情報を自分の知識・教養として、それを自分の仕事や趣味に活かし、新たな価値やサービスを作ることです。
でも、どうして知的生産力を身につけないといけないの?
知的生産力を身につけることは、AIが発達する未来で活躍するために必要です。
今の日本社会においては、高学歴・高収入をもつ人、持たない人の2極化が進んでいます。
格差が広がることで、上の階層の人間には、お金も情報も集中するでしょう。
本書では、高校のセンター試験において、生徒同士の学力差がどんどん開いていることが指摘されています。
親の年収と、学業の成績には相関があることが、論文ですでに報告されているのです(親の年収が高ければ、子ども学歴は高くなりやすい)。
社会構造の格差の溝も、それに応じて深くなるでしょう。
この格差を、佐藤さんは「学力のフタコブラクダ化」と表現しました。
センター試験の点数を人数ごとにグラフ化すると、学力が高い人と低い人の人数は2分され、前と後ろにラクダのような2つのコブができているように見えるからです。
学力・収入の差は広がるばかり。
そんな格差社会で生き残るために必要なのが、知的生産力を身につけることです。
AI時代に求められること、自分の仕事に付加価値をつける
これまで後ろコブの人々が担ってきた、単純作業や分析といった労働は、AIに取って代わられる可能性が高い。
AIが発達した世界で生き残るために、人間の仕事は、今までの仕事に付加価値をつける方向に進むと考えられます。
AIが発達しても、人間が労働から解放されることはないと考えられるよ!
AIは人間の補助ツールであり、技術のひとつにすぎません。
しかしAIの得意領域である、分析に関しては、人間の仕事の幅は確実に少なくなることでしょう。
そこで今後必要とされるのは、仕事に付加価値をつける力です。
薬剤師であれば、薬の飲み合わせや、飲んではいけない薬を判断することはAIに任せることができます。
しかし、高齢でお薬が飲めない人に、飲みやすくなる工夫(日付を書いてカレンダーにセットする等)を考えてあげたり、日常の些細な世間話から副作用の兆候を読み取ったりすることは、人間にしかできません。
しかし今後は、分析力の部分はどんどんAIが担うようになっていき、人間は、人間的な価値判断や感覚、発想力、想像力を動員し、付加価値をつける総合力が無くては、豊かに幸せに生きていけない。
調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意 (佐藤優 著) p40
これは私も同意です。人間ならではの感覚を活かして、利用者の満足度を上げるサービスを提供することが、今後の仕事で求められます。
そのために必要なのが、知的生産力です。
知的生産力を身につけるインプット方法!
では、知的生産力を身につける方法を解説します。
①中学~高校レベルの基礎学力をつける
②自分の仕事に関する知識をアップデートする
③得た知識をアウトプットする
中学生の時は、勉強なんてしても意味がない!!!って思ってました・・・。
一つ目は、基礎学力をつけることです。
知的生産をするためには、様々な情報をインプットして、それを精査することが必要になります。
基礎の学力が足りていなければ、そもそもその情報を正しく把握することが難しいものです。
私も、以前宇宙について興味を持って、本を読んでみました。
しかし、物理学に関する知識が含まれていて、読んでいてもちんぷんかんぷんだったことを覚えています。
小学生とか、中学生の問題って、たぶん今だと全然解けないと思うんですよね。
分かったつもりになっているというか・・・そんな気がします。
様々な知識をインプットする前に、本や学習アプリ・サービスを利用して、基礎的な知識を学びなおすことが知的生産の第一歩です。
本書では、小中高レベルの知識を学びなおすための、おすすめの方法が紹介されているので、非常に参考になります。
自分の仕事に付加価値をつけるために、次にすることは自分の知識をアップデートすることです。
付加価値をつけるための知恵は、知識と知識を掛け合わせることで生まれます。
私は、薬に関する知識をつけるため、MPラーニングという薬剤師向けの動画学習サービスを利用しています。
今の仕事はつまらない、将来は別の仕事に就きたい!と考えている方は、その仕事に関する知識を勉強するのも良いと思います。
薬剤師とは全く関係のない、心理学に関する本を読んでみたり、趣味で動画編集を学んだりしましたが、結果として本業に役に立ったこともあります。
今から勉強したい!という方におすすめなのは、udemyというサイトです。
私はプログラミングと動画編集の勉強に活用しましたが、プロの講義が安く視聴できる点がお気に入りです。
インプットした知識は、アウトプットしなければ使える状態にはなりません。
頭の中に定着させるために、ノートやブログに書いたり、他の人に学んだ内容を話したりすることで、アウトプットするのがおすすめです。
私は、興味のある分野に関して書籍を読んだら、その内容をノートに書いてから、ブログ記事にしています。
アウトプットの方法について、著者の佐藤さんは「1冊のノートに情報をまとめて管理する」方法を取っているようです。
私も同じ方法を使っています。もし興味のある方は、こちらの書籍がおすすめです。
インプットで基礎学力をつけ、自分の仕事に繋がる知識を得て、アウトプットするといった一連の流れを通じて、自分の教養はさらに深まります。
知的生産は、まったく何もないところから新しい物事を生み出すというよりは、様々な知識を連動させて、新しい物事を作るといったイメージが強いです。
様々な知識を連動させるために、インプットとアウトプットの両輪が必要なんだね。
読書は、最良のインプット法である
本書を読んだきっかけは、「読書をする理由」を知るためでした。
本が大好きで、書評のブログを立ち上げたりもしましたが、何のために本を読んでいるのか、よくわからなくなる時があります。
楽しいから読んでるんだよ!!
ということもありますが、それでは、書評を通じて面白い本の価値を伝えたり、本の良さを広めるという目的まで到達しないと感じました。
本書では、読書の目的に「フタコブラクダ化する(格差が広がる)日本で生き残るため」という明確な理由を提示してくださっており、それが私の読書の原動力にもなりました。
より使える知識をインプットするために、基礎学力をつけるという点は、今までにない発想でした。
知識を学びなおすことで、より読書の魅力を知ることができるのではないかと考えています。
学びたい人、このままなんとなく仕事を続けていけないけれど、何をしていいか分からない人におすすめの一冊です。