日々の学びと読書をシェアするブログです

ブログを書くのが辛い!?自分が読みたいことを、書けばいいじゃない!!

あなたはゴリラですか

『読みたいことを、書けばいい。(田中泰延)』

突然ですが、想像してみて下さい。本を読むことが好きなあなたは、ブログに本の感想や学んだことを書くことが好きです。

ある日、ライティングスキルを伸ばそうと思い、文章術の本を探しに本屋さんへやってきました。

何気なく書店に平積みされている本を見つけ、ページを開いて開幕2行目に

と書いてあったとします。この本を買いますか?

Kada
Kada

迷うことなく買いました。
Kada(@Kada_Se)です。

普段は医療職として働きつつ、朝起きて30分は毎日ブログを書く生活をしています。

文章を書くことは大変ですが、それなりに習慣として続いてます。

本日は『読みたいことを、書けばいい。(田中泰延)』という本を読みました。

1ページ目に「あなたはゴリラですか」なんて書かれているから、いい加減な本なのかと思っていましたが、一切そんなことはなかったです。むしろ、文章を書くという行為そのものについての自分の前提を揺さぶられてしまい、大きな影響を与えてくれた一冊になりました。

そんなわけで、本日は自称ゴリラであるわたくしがこの本を紹介しつつ、思ったことを自由に書いていきたいと思います。

読みたいことが書かれた文章は、興味が持てる

最初に、なぜこの本の1ページ目を見た瞬間に購入を決意したのか、理由を説明します。

先ほどは、自分のことをゴリラだと言いましたが、このブログを書いているのはれっきとした人間です。読書と筋トレとゲームが好きなアラサー女(既婚)です。一応写真も掲載しておきます。

右端の四角い枠の中にいるのが私です。

ゴリラのマスクをかぶってバナナを食べながら、ゲーム配信をするのが好きという、変わった性癖趣味を持っていますが、ちょっとゴリラが好きなだけでれっきとした人間です

そんなわけで、文章術の本を探しに来たのに『ゴリラ』という単語を目にしてしまい、思わずそのままレジに直行してしまいました。2時間は本の物色だけで余裕で潰せる自信がありましたが、レジに行くまでの速さが尋常でないスピードでした。これぞゴリラパワー。

そもそもどうして、文章術の本の冒頭に、ゴリラという単語があったのか?
それは、この本の著者である田中泰延さん(リンク先wikipedia)の体験が元になっています。

三十年以上も前の話だ。ある雑誌で「あなたの職業適性診断YES・NOチャート」というものがあった。まだ中学生だったわたしは、「自分はどんな仕事に向いているのかな?」というピュアな気持ちで、職業適性を診断したくなった。さっそく始めてみた。

【第一問:あなたはゴリラか? YES・NO】

・・・なにを考えているのだろうか。ここでとりあえず【YES】を選んで矢印を辿ったわたしは、衝撃的な文言を目にすることになった。

【あなたはゴリラだ。まず人間になることを考えよう】

【読みたいことを、書けばいい。】p1-2より抜粋

え?お前なに?ふざけてんの?ウホホ??
と言いたくなるエピソードですが、当時読んだ田中氏にとっては非常に衝撃的だったことと思います。

なぜこんな選択肢を用意したのかを考えてみると、これを書いた人は、きっと「書きたくて書いた」のではないか。と書かれています。私もそう思います。盛大にスベる危険性もあるし、読んだ人が呆れて診断チャートを途中で投げ出してしまう可能性もあります。でも私は好きです。

この本は巷にあふれる文章術の本とは一線を画しており、「読みたいことを書けば、自分が楽しい」という、文章を書く時の考え方について解説している本です。文章をうまく書くためのテクニックは載ってないし、当然セールスレターのような商品の訴求方法も載ってない。

でも、文章を書くという行為そのものの前提を覆し、書くことそのものに喜びを見出すための考え方が載っています。

私は、「自分が読みたくて書かれた文章」には読み手の行動を変える可能性があると思っています。現に、冒頭の「あなたはゴリラですか」がなかったらたぶん私はこの本を買わなかったでしょう。なんだこの本は!!と開始1ページ目で怒って投げ出す人もいるかもしれないけれど、自分をゴリラだと思い込んでしまった可哀そうなアラサー既婚女性の購買欲は刺激されました。

自分が書きたくて書いた文章は、行動を呼び起こす

タイトルからここまでで、なんと13回もゴリラという単語を書いてしまいました。
しかし、私はゴリラの紹介ではなく、書籍の紹介をするために文章を書いています。

このように、「自分が読みたいものを書く」という行為には、人を動かすパワーがあります。

世の中に、文章の書き方を指南する本は何百冊もあります。その中から私がこの本を選び、レジへ行き、購入する、という行動を取るきっかけとなったのは、この本の著者自身が面白がれる文章を書いていたからです。

ここで、著者がWEB上で公開している文章をいくつか紹介させていただきます。

まずはこちら、街角のクリエイティブにて連載されていた、『田中泰延のエンタメ新党』。映画評論です。自腹で映画代を払い、言いたいことを言う、をモットーにして書かれています。もうこれが面白いのなんのって。

そのなかでも、『MADMAX 怒りのデス・ロード』の映画評は死ぬほど笑いました。電車の中で笑ってしまい隣の人に嫌な顔されました。MADMAXのハチャメチャっぷりを表すかのような、ふざけ倒した文章なのに、最後は良い話っぽく締めてるのが好き。

MADMAXは名前しか知らなかったんですが、この記事を読んで興味がわいたので、AmazonPrimeでレンタルして視聴しました。

すごくヒャッハーでした。

そしてこちら、ベートーヴェン『第九』の解説です。第九って言ったらあれです、歓喜の歌です。

第九って、なんと長さが1時間以上ある曲なんです。まったくクラシックに興味がない人間だったんですが、この文章を読んだら無性に聞きたくなって、なんと1時間ぶっ通しで聞いてしまいました。

聞き終わったとき、どうして今まで28年間生きてきて、一度も『第九』を聞かなかったのかを不思議に思いました。第一部~第三部まで聞いてから第四部(有名なとこ)を聞いて、初めてこの曲の本当の魅力を理解できた気がします。もう鳥肌立ちまくり。

私は田中泰延のエンタメ新党を読むまで、MADMAXにもベートーヴェンの第九にも全く興味を持っていませんでした。マジで興味がなかったのに、映画を借りちゃったし、ベートーヴェンを聞いてしまったんです。これ、個人的にすごいことだと思っています。何がすごいのかというと、まったく興味がない人間を動かすパワーが文章にあったことです。

ネット上で「ある文章を読みたい」と思った時、そこには必ず目的が存在していると思います。

例えば、

痩せる方法を知りたくて、ダイエットの方法を検索する。
格安SIMの携帯電話に乗り換えるか検討していて、実際に乗り換えた人の口コミを探す。

こういった場合、最初に読み手の中に目的が存在しています。そして、ネットで得た情報をもとに行動する準備があります。ダイエットのために筋トレが良いと書いてあったら、その日から筋トレを始めるかもしれない。格安SIMが安くて使い勝手も良いと分かれば、次の休みに乗り換えの申し込みをするかもしれない。

でも私は、目的も興味もない0の状態から、行動したんです。

ネット上に置かれている文章を読んで、書かれている対象への興味が沸き起こり、行動を起こしてしまう。
理由は、それだけの熱量が文章に宿っていたからだと思っています。

私は、先ほどのダイエットや格安SIMの件を、人の熱意を1⇒10にする文章だとすると、田中泰延さんの文章は0⇒1にする文章だと思っています。

自分が面白いと感じられないものは、他人も面白くない

それにしても、田中さんが書いた文章を読むと、こんな風に『面白い文章』『人を動かす文章』『人の心に残る文章』を書きたいと思う人も多いと思います。

なぜ、こんなに面白いのか。この答えは本書のタイトルにあります。

読みたいものを、書いているからです。
自分が面白がれるものを、書いているからです。

私は、このブログが始めてのブログではありません。以前2回ほど、ブログの更新に挫折しています。30記事も行かずに挫折しました。その理由は以下の通り。

● 人の役に立つ記事が書けないから手が止まってしまう。

● 書くことそのものが目的になって、毎日更新することが辛い。

毎日更新を目標に頑張って、いろんなブロガーさんの文章術の記事を参考にして書いていたはずなのに、この時代の記事を読み返すとクッッッッッッソつまらないんですよね。誰これ書いた人。私です。

以前の記事では自分の思ったことを書かずに、事象だけを羅列して書いていました。そうしたら、どこかで見たことがあるような内容ばかりになります。誰かの評価を気にして、間違えないように、架空の読み手のために書こうとすると、どうしてもつまらない内容になってしまいました

そして何よりも私自身が、誰かのために書く記事に楽しさを見出せなくなっていました。
だから、更新を止めてしまったと思っています。

自分が読みたいものを書くということは、対象へのを文章に込めることにほかなりません。

客観的な姿勢で対象に接すること、対象について調べて発見すること、対象を愛せるポイントを見つけること、伝えることを絞って短い文章にまとめること、そしてなにより、自分がおもしろいと感じられないものは他人もおもしろくないという事実を、何千万人もの視聴者を相手に肌で感じること。

【読みたいものを、書けばいい。】 p93より引用

誰かの評価を得るために文章を書くのではなく、読みたいものが無いから、自分で書く。この姿勢は、すごくさっぱりしています。お金が欲しいから書く、ライターになりたいから書く・・・それも一つの目標だけれど、自分自身が書いた文章を好きになれたら、書くことはもっと楽しくなるはずです。

このスタンスは、ほぼ日手帳でも有名な糸井重里さんとも一致しているようです。『田中泰延×糸井重里 40代からのドロップアウト』にて語られています。

このように、人を動かす文章の根底にあるものは、「対象への愛」です。本書では、どうすればコンテンツに対する愛を感じられるのか、文章をどのように書けばいいのか、詳しく書かれています。

しかしながら、これ以上私が書いてしまうわけにはいきません。田中さんに入るはずの印税が少なくなってしまいます。皆さん本を買いましょう。

本日紹介した一冊

といっても別にわたくしはただの1ファンで、田中泰延さんの親族でも何でもないただのゴリラです。ダイマではありません。

おわりに


素敵な著作をこの世に生み出してくれた、第九のすばらしさを教えてくれた、田中泰延さんに感謝の意を込めてブログを書きました。ぜひこの記事を読んで、興味を持っていただけたら嬉しいです。

ライターに興味がある人はもちろん、ブログを書いているけれど更新が辛いと感じる人にもおすすめしたいです。文章を書く行為そのものの前提を覆して、書くことが少し楽しくなる一冊です。

今日はここまで。おしまい🦍

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA