2ちゃんねる(5ちゃんねる)のFX板のコピペを見たことがありますか?
この世の地獄が見れるから一回見ておくことをお勧めします。
怖えええええええ!!!
これを読んで、FXだけは絶対にやらないと固く心に誓いました。
しかし、投機性の高い投資に興味が無いか?と言われると答えはNOです。
FXも原理ぐらいは理解しておきたいし(やらないけど)、インデックスファンド以外の株式にも興味があるし、ビットコインにも挑戦したいです。
そんなわけで、投機のバイブルと呼ばれる本を読みました、『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』です。
非常に硬派で、堅実な投機(リスクは取るけど)をすすめる良書です。中には人生訓とも思える文章もありました。深い。
もくじ
『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』の内容は?
さて、本書『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』(以下 マネーの公理)は、1976年にイギリスで出版されました。
1976年の本なので、結構古いです。どれぐらい古いかというと、「およげ!たいやきくん」が大ヒットした年です。いや、分かりにくいわ。
それじゃあ、内容も古いんじゃないの??
ところがどっこい、内容は非常に普遍的・かつ興味深く、FX、ビットコインといった現代のギャンブルにも応用が利く内容です。
本書では、スイスの金融マフィア(おっかねえ)に伝わる投機の知恵「チューリッヒの公理」を解説しています。
その内容は全部で12公理、以下に列挙します。
①リスクについて
②強欲について
③希望について
④予測について
⑤パターンについて
⑥機動力について
⑦直観について
⑧宗教とオカルトについて
⑨楽観と悲観について
⑩コンセンサスについて
⑪執着について
⑫計画について
また、これとは別に16の副公理があります。副公理は、メインの12の公理についての理解を深めるための解説となっています。
この本の副題である”儲けのルール”の表す通り、「マネーの公理」はリスクを取って沢山儲けるための知恵が詰まっています。
本書をお勧めしたいのは、ガッツリ投資してガッツリ稼ぎたい、勝負師な人です。
インデックスファンド・ドルコスト平均法・債券・長期保有なんて、悪しき投資とかいってバッサリ切り捨ててます。決して、つみたてNISAでS&P500連動型インデックスファンドを買って、数十年かけて資産形成をしようと考えている方に向けた本ではありません。
とはいえ、そんな私もつみたてNISAでチマチマ投資信託を買ってるだけの投資初心者ですが、内容は非常に面白いです。投資で冒険をしたくないと考えている方も、一度は読んで損はありません。
「マネーの公理」から学んだこと5つ!
そんなマネーの公理を読んで、学んだ内容の一部をご紹介したいと思います。
ぜひ興味が湧いたら、一度手に取って読んでいただきたいです。
投資助言を読んだり、聞いたりするときはいつも、話半分で受け流しておけばいい。
「マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」p113より
投資を始めることは、あたかも未知の大海原に一艘のボートで漕ぎ出すようなもので、ある種の不安が付きまといます。
迷った時に、参考にするのは有名な投資家の書いた本や、投資Youtuberの情報などではないでしょうか。
この投資先は正しいのか!?
もっと良いファンドがあるのでは!?
こういった情報は勉学の一環として取り入れるのは良いですが、全面的に信頼してはいけないと解説しています。
「マネーの公理」では、投機の成否を決めているのは運だけだと強く書かれています。
自分以外の投資家のい言うことを鵜吞みにしていると、自分の判断力が低下してしまう。
だから、ギャンブルにおいて最終的に信じられるものは自分だけだと理解しておくことが大切です。
それに伴って、本書では自分の頭で判断することの重要性が繰り返し説かれています。
投機の対象を決めるとき、ついつい自分の外部に要因を求めることがあります。
例えば、神頼みをしたり、ジンクスに頼ったり、大多数の意見(コンセンサス)に従ったり・・・。
こういったものに頼ることは、同様に判断力を鈍らせます。
船が沈み始めたら、祈るな。飛び込め。
「マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」p76より抜粋
保有している銘柄の価値が下がっていくと判断したときは、すぐに損切りして船から降りなければなりません。
祈ったり、パニックになったり、根拠もなくまた価値が上がるだろうと信じたりせず、状況を観察して冷静に判断する力が必要です。
投機で大切なのは、どこまで行けば満足なのか、自分の中で線引きしておくことです。
カジノのギャンブルで大勝しているときを想像してください。もう十分なほどに元手も増やしているのに、つい「もっといける」「もっと増やせる」と気が大きくなって無茶な賭けを繰り返し、最終的にはお金がなくなってしまったというお話を聞いたことがあります。
勝ちは気分の良いものですが、同時に私たちの目を眩ませます。
利益を出して、「この銘柄はまだまだ上がる!」と信じて逃げるのが遅れると、逆に大きな損をすることに繋がります。
たとえ、売りに出した株がその後も上がって、悔しい思いをしても、それを取り返そうと思ってはいけません。
常に早すぎるほど早く利食え
「マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」p69より
要はスケベ根性を出すなってことだと思います。
本書が長期保有・ドルコスト平均法を悪しき投資とみなしていることは先ほど書いた通りです。
1つの投機対象に根をおろしてしまうと、その投機対象から利益を出すことにこだわりがちです。
常に一定の額を買い続ける手法(本書では難平買いと呼ばれています)は、時に執着を生みます。
他に良い銘柄があるにもかかわらず、この銘柄を買っていればOKだと考えて放置することは、思考停止と同じであると書いています。
自分が保有している銘柄がベストであると自分で確信できない限りは、同じ銘柄を買い続けることは良くないと言えます。
本書が書かれたのは1976年なので、当時とは状況が違います。
しかし、1つの投機対象だけを見て脳死で積み立て続けるよりも、きちんと成否を判断して、都度良い銘柄があるか考えた方が良いのは間違いないと感じました。
以前読んだ、やり抜く人の9つの習慣という本に、『目標を設定したときは、同時に目標を達成できずに失敗して、失意のどん底に陥っている状態=最悪のシナリオ』を想定することが書かれていました。
理由は、人は悪い予想を先に立てておくと、実際に悪い出来事が起きたときに冷静に対処することができるようになるそうです。
「あっ!ここ進研ゼミでやった!!」状態ですね。
投資も同じで、銘柄が下がった場合のシナリオを考えておく。
〇〇円まで下がったら売る、といった取り決めが、小さな損失を出す代わりに大きな損失から自分を守ってくれます。
長期保有において楽観的であることは重要ですが、こと投機においてはその逆で、悲観が自分を助けてくれることの方が多いと思います。
投機では、負けを見極められる人間が勝つ
カイジのセリフで、
『博打で負けに負けて最後に起死回生を狙って厚く張ったコマが当たった例があるか?』
って言葉があります。
「マネーの公理」に照らし合わせるならば、投機のプロは起死回生を狙った一手なんて打たないし、そもそも負けが続く前にその場を離れているとも言えます。
本書を読んだ後に、先ほど紹介した2ちゃんねる(5ちゃんねる)のコピペ集を読んでみると、どうにも負けが許されないところまで陥ってしまっているような気がしてなりません。
勝てる人間というのは、負け時を正確に見極められる人間と言い換えることができるんじゃないかー本書を読んでそのように感じました。
しかしながら、投機性の高い投資が悪だとは思いません。ギャンブルには夢があります。
一夜で一攫千金!!!!なんて夢ひろがりません??
しかし、投機をするならばきちんと戦略を立てて、身を滅ぼさない程度にとどめるのが最善です。
本書は、FXやビットコインといったマネーゲームをするにあたり、戦略を立てる助けになってくれます。
ビットコインあたりは今年中に無理ない範囲で買ってみようと思っているので、本書の知恵を活用したいです。
万が一、私が「ぼくちんの貯めた500まんえ~~~~~~ん!!!!」とかTwitterで呟き始めたら・・・そっとしてあげてください。