
週5で休みたい!!
って考えたことある人~~!!!!私(@Kada_Se)で~~~~す!!!
しかしながら、世の中には週5休、週に2日だけ生活費を稼ぐために働いて、年収90万円で生活している人が存在しています。本日読んだのは、『年収90万円でハッピーライフ(ちくま文庫)』。
とはいっても、この本は低所得生活のノウハウを解説する本ではありません
『自分にとって心地よい生活とは何か』を見つめなおすための一冊です。
もくじ
年収90万円で、台湾できままに生活する著者ー大原扁理さんについて


90万円で生活する人って、どんな人なの?
この本の著者は、大原扁理さん。
なんと、東京で家賃2万8千円の賃貸物件に住みながら、週休5日・年収90万円の隠居生活を送っていた方です。
『若くして隠居している』と聞くと、
事業に成功して、お金を沢山持っているの・・・?
両親がお金持ちなのでは・・・?
という印象を持ちますが、大原さんは決してそうではありませんでした。
本書の内容を抜粋すると、学生時代は引きこもりで、高校卒業後は大学には入らず、生活費を稼ぐために週に数日だけバイトをする日々を送っていたそうです。
そしてなんと現在、台湾にお住まいです。同じように少ない金額で暮らせるかどうかを実験されているとのこと。
・・・この方は、現代の仙人か何か?
この方がすごいのは快適さを追求したら、結果的に低年収になったという点だと思います。
年収90万円って、フツーに考えたら保護の対象です。
それでも、自分にとって『快適な生活』とは何かをを考え続け、結果としてほどほどに働いて悠々自適に暮らす生活が自分に合っていると理解されたとのこと。
つまり、年収90万円の生活は、著者である大原さん自身が選び取ったものなのです。
今の生活に不満がある!その生活は自分で選んだもの?

私は4年ほど企業に属して仕事をしています。
社会人になる前は、もっと仕事とプライベートを楽しめるものだと思っていました。

仕事を始めたら、お金が沢山入るんだろうな!
それで、体によいご飯を毎日作って食べて、
イタリアに海外旅行に行くんだ!!
そんなことは一切ありませんでした!!!
昔の自分と話せるならば、「年収はそんなに上がらないし上がっても税金で取られるし、仕事のストレスでご飯を作る気力もなくて朝は白米&納豆しか食べてないし旅行は和歌山だよ(住居は関西です)」とか言えるんですけど。
それでも、たまに体にガタが来たことを実感して(もうアラサーです)、体に良いご飯を食べようと決意するときもあるけれど、やっぱり手間がかかるので2,3日で挫折してしまう。
結局そんなことの繰り返しで、理想の生活をあきらめてしまう自分がどこかにいます。
でも結局のところ、今の生活が自分で選び取ったものだったら不満は出ないはずなんです。
中途半端に社会で仕事して生きているうちに、社会の常識に染まり、自分が本当に欲しいものが何なのか分からなくなってきたような実感があります。
社会の常識から外れても、楽しく生きられる

そんな社会の常識から外れて、自分の道を行こうとするのもまた苦痛が伴うものだと想像していました。
例えば、周囲の人間(家族とか友人とか)からの批判とか、将来への不安とか。
しかし、本書ではそんな常識から外れても、楽しく生きられると太鼓判を押してくださっています。
これは、社会的成功から乗り遅れまくったら、不幸になるどころか毎日が楽しすぎて、ジョーシキっていったい何だったんだろう、進学しなきゃいけないとか、就職しなきゃいけないとか、結婚とか子育てとか老後の蓄えとか、資格も技能もマナーもテレビもスマホも友達も、なくても生きていけるものばっかりじゃん。もー自分しか信じないもんね。何が幸せとか、自分で決めちゃうもんね。おならプーだ。という本です。
「年収90万円でハッピーライフ」大原扁理 著p17より抜粋
そもそも私がなんでこの職業を選んだかって言ったら、「資格を取ったら就職が有利で、くいっぱぐれなくてお金が稼げるからだよ。」って親に言われたからです。
まあ、仕事は嫌いじゃないし、それなりにやりがいも感じているけれど、結局根幹のところを自分で決めきれてないんですよね。
対して、大原さんの本を読んでいると
「将来やりたいことなんてない」
「友達なんていらない」
「大学も出ていないし、就職もしていない」
といった言葉が出てきています。
どんな場合にも当てはまる、いちばん大切なことって何でしょうか?それは、「どうすれば自分が幸せか?」を、他の誰でもなく、自分自身が知っていることじゃないかな?
「年収90万円でハッピーライフ」大原扁理 著p29より抜粋
これは、行き過ぎた個人主義のように見えるかもしれません。しかし、世の中を心地よく生きるための重要なポイントだと思います。
一般的な生活と比較すると、遊びや食にかけられる金額には雲泥の差があります。しかし、読み進めているうちに、大原さんの生活がうらやましく思えてくるのが面白いです。
それは、本書が「この生活は自分で選び取った」という確固たる自信に裏打ちされているものだからだと思います。
幸せになるコツは、自分の身の丈に合った生活をすること

本書を読んでいると、数年前にネットで話題になったメキシコの漁師とMBAコンサルタントの話を思い出しました。
本書で紹介されている生活は、朝起きて白湯を飲んで、散歩をして、玄米菜食を食べて、図書館で本を読んで、紅茶に合うスコーンを作ったり、食べられる野草を収穫して、夕飯を早めに食べて寝るーという感じです。
あれっ?働いてストレス貯めてる自分よりもめっちゃ良い生活してない?
しかし、私も同じように年収90万円で暮らせるか?って言ったら、絶対無理かもしれません。
なぜなら、鬱で体調を崩した際にニート生活を経験しましたが、3か月でギブアップしたからです。
でも、本書は決して所得を落として暮らすことを推奨しているわけではありません。
自分の理想の仕事についている人は幸せだろうし、億ションに住むことが最高の幸せだと感じるひともいるだろうし。
大事なことは、自分にとって幸せを感じられる生活がどの程度なのか、身の丈にあった塩梅を見つけることです。
本書は、年収90万円という法外な生活を通して、自分が本当に快適な生活とは何かを見つめなおす一冊です。
大原さんの言葉は一見すると軽く見えますが(おならプーとか書いてるし)、根底には様々な知識と、人生に満足していることが感じられる力強さがうかがえます。
私も、自分が本当にどんな生活がしたいのか、きちんと考えたいな、と思いました。

せめて朝食は白ご飯と納豆で済ませずに、みそ汁もつけれるぐらいの生活の余裕が欲しいね!!!

同じように、世間一般の常識を疑ってみることの重要性を説いています。生きづらさをちょっとでも楽にしたい人におすすめ。