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東京藝大で教わる西洋美術の鑑賞法!【アートを深ぼりしよう】

美術館に行くことが好きです。アートについて知ることで、鑑賞体験はより楽しいものになると思っています。

そこで、東京藝大ではどのように西洋美術を教えているのか、興味があって、本書を読みました。


この本で学んだこと

西洋美術史をいくら学んでも、作品を理解することはできない。鑑賞のコツは、個々の作品に対するアプローチを学ぶこと。



なぜなら、個々の作品を深掘りして、作品同士のネットワーク構成することが、西洋美術を深く理解する鍵になるからです。

この本の特徴

美術史というと、それぞれの時代でどんな作品があり、どんな歴史的背景があったのかを概説するだけに留まりやすいものです。
それではアートの持つ魅力が伝わらない。作品を時代ごとに、バラバラに理解してしまいます。

本書ならではの特徴。それは、「作品がどんな状況下で作成され、過去の時代のどんな作品の影響を受けているのか」まで解説している点です。

名画と呼ばれる作品には、過去の名作にインスパイアされ、表現方法を真似て作成している部分があります。

   

例えば、イタリア・ルネサンスを代表する画家であるラファエロ。


美貌の天才画家として有名ですが、彼が影響を受けたのが、レオナルド・ダヴィンチです。

ラファエロの書いた絵のなかに『マッダレーナ・ストロッツィの肖像』という絵があります。

https://it.wikipedia.org/wiki/Ritratto_di_Maddalena_Strozziより引用

この絵の構図は、レオナルドの『モナ・リザ』にそっくり。本書によるとラファエロは『モナ・リザ』のスケッチを残しているそうです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%82%B6より引用

私はこれまで、アートはその作品単体で鑑賞するものだと思っていました。実際は、過去の名画から表現を取り入れたり、参考にしつつも全く新しい表現に挑戦したりと、作品同士で相関しあっているんですね。

   

この本を読んで、アイザック・ニュートンの『巨人の肩に乗る』という言葉を思い出しました。

過去の、偉大な科学者たちの研究成果をもとにして、新たな発見をすることを表現した言葉です。それと同じことが、美術の世界でも起こっているのだと分かります。


このように一つ一つの作品を深堀りすることで、作品同士が繋がり、ネットワークができる。ネットワークが頭の中にあれば、鑑賞はもっと楽しくなるのではないかと感じました。

   

と書いたものの、私はまだまだ西洋美術に対する知識が足りていません。もっといろんな美術作品のことを知って、ネットワークを構築したいと思います。

本書では人気のある印象派やイタリア絵画にはページを割かず、北欧絵画やドイツ、古代ローマのアートなど、少し変わった作品選択がされていた点も面白かったです。

   

本で学んだこと&感想

西洋美術鑑賞のコツは、個々の作品を掘り下げること。そして、作品が過去の作品にどんな影響を受けたのかを知って、アート同士を繋げること。

2023年はルーヴル展が来ます!より作品を知って、美術の楽しさを味わえる1年にしたいです。

   

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