在宅勤務はストレスがたまる・・・。
どうすれば解消できるかな?
住まいの機能を考えてみることが、解決策になります!
新型コロナウイルスの流行は、私たちの暮らしを大きく変えてしまいました。
感染防止の目的で、様々な企業で在宅勤務が導入されたことも変化のひとつです。
しかし、本来くつろぎの場であった家が仕事場になったことにより、不満を感じる人も増えています。
自宅に家族がいて業務に集中できなかったり、仕事と休みのメリハリがなくなったりすると、当然働き手にとってはストレスに感じるでしょう。
テレワークの効率を上げストレスを減らすために、私たちは何をすればよいでしょうか?
秘訣は、在宅勤務を前提とした住まいに変えることにあります。
本日読んだ本、「ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか」の中で、テレワークのストレスを減らす方法が書かれていました。
方法としては
- 住宅のゾーニングで、住まいの機能を区分する
- 都心の自宅とは別に拠点を持つ
ということです。順番に解説していきます。
もくじ
働き方は、新型コロナ以前には戻らない
新型コロナウイルスの流行が始まったとき、私は東京に住む友人に電話したことがあります。
さぞ友人は不安だろうと、ドキドキしながら近況を聞きましたが
在宅勤務になって、満員電車に乗らなくてもいいから気楽だよw
と笑いながら話されました。
余裕じゃん。心配して損したわ。
これまでの社会では、会社員が満員電車に乗って会社に行くことは当たり前とされてきました。
しかし「そんな生活が、はたして正しかったのか?」と考えてみると、決してそうではなかったはず。
好きで満員電車に乗りたいと思う人はいないはずだし、過酷な通勤は間違いなくストレスの原因になります。
その友人も、満員電車に乗る生活には戻りたくないと話していました。
移動の制限やイベント自粛は、新型コロナの流行が収束するにつれて戻っていくでしょう。
しかし、テレワークといったリモートによる働き方が無くなるかというと、そうではありません。
コクヨマーケティング社が、企業109社に対して行ったアンケート調査によると、
- テレワーク・在宅勤務を導入し、うまく活用できている企業:56.3%
- オフィスやオフィス運用のルールの見直しを検討している企業:73.3%
実に多くの企業が、新しい働き方を取り入れようとしていることが分かります。
もちろん新型コロナの流行が終わることで、一旦は以前のようなオフィスワークが再開されるでしょう。
それでも、テレワークを導入することは、コスト削減や・人的資源の活用といった面でも合理的です。
新型コロナがもたらしたオンライン化の流れは、今後も続いていくことが考えられます。
テレワークによって生まれるストレス
テレワークが導入されることは、必ずしもメリットだけではありません。
- オフィスと自宅が一緒になることでストレス・・・。
- 子どもや配偶者が家にいる中で仕事をするのが辛い・・・。
私は在宅勤務ができない仕事(薬剤師です)なので、実際にこのストレスを経験したことはありません。
しかし、薬局に来られる患者さんと話した際に「仕事とプライベートの垣根がなくなることが辛い」と聞いたことは何度もあります。
テレワークの効率を上げるためには、在宅勤務がしやすくなる住環境を整えることが必須です。
「ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか」は、そんな新しい時代の働き方を叶える住まいについて解説しています。
コロナ前とコロナ後の、住宅に求められる機能は違う
今までの社会では、住宅を選ぶ基準は「利便性・オフィスの近さ」でした。
しかし、コロナ後の時代では、住宅に求められる役割が増えると考察されています。
これまで、住まいに対して求められてきた機能は次の3つ。
- Relax(リラックス):睡眠、日常を過ごすための生活の基本機能
- Eat(イート):食事を作る、飲食をする場
- Play(プレイ):遊んだり、運動するための機能
テレワークが一般的になった場合は、住まいに2つの役割が追加されます。
- Work(ワーク):仕事や作業を行うための機能
- Learn(ラーン):学習をするための機能
これまでは、仕事は会社のオフィスで、勉強は学校で行うことが一般的でした。
オンライン化により、Work、Learnの2つの役割が住宅に求められることになります。
住宅環境がテレワークに適しているか知るために、部屋に役割を当てはめてみましょう。
テレビを見たり(Relax)、食事をしたり(Eat)する場所であったリビングルームで、
会社の資料作成をする(Work)。
これでは、プライベートと仕事のメリハリができずにストレスになりやすいです。
自宅でテレワークをすることに付随するストレスとは、本来相反する機能がごっちゃになることによって発生するのと考えられます。
このストレスを減らすためのカギが、「ゾーニング」と「二拠点生活」です。
ゾーニングとは、空間デザインを考えるときの基本となる考え方で、空間(部屋)を役割や目的に区分することです。
Relax / Eat / Play / Work / Learn
この5の機能を、それぞれの部屋に割り当てていきます。
例えばこんな感じです。
以前の住宅では、Relax / Eat / Play / Workがダイニングに集中していました。
これでは、仕事とプライベートの境目があいまいになりやすい。
両親が仕事中なのに、子どもが「リビングで遊びたい」と言い出し、仕事に集中できなくなることも考えられます。
ゾーニング後の住宅では、ダイニング・寝室を2分割して、プライベートと仕事の境目を設けています。
部屋数が少ない住宅であれば、部屋ごとに機能を割り振ることは難しいものです。
そういった場合はパーテーションで区切ったり、家具のレイアウトを変えたりして、区画に差を作る工夫が有効です。
しかしながら家が狭すぎて、とても生活と仕事を分けるスペースが無い場合もあります。
その場合は、より広い住宅に住むために、田舎や郊外に引っ越すという選択も考えられるでしょう。
都心からどうしても離れられないという場合に、著者が提唱しているのが二拠点生活です。
●住宅の近くにワンルームマンションを確保して、仕事場にする
●地方と都心で二拠点居住する。普段は地方に暮らし、必要に応じて都心に戻る
●なお、拠点は自分が生活しない時は、民泊として貸し出してマネタイズをする方法もある
こちらの対策はよりハードルが高いですが、その地方でしかできないアクティビティや趣味がある場合は、自分の生活を充実させるのに役立ちます。
(例えば、サーフィンが趣味で沖縄に拠点を持ち、シーズンに応じて住む場所を変えるとか)
自宅を柔軟に使うことができれば、働き方も柔軟にできるのですね。
おわりに
お恥ずかしながら、今まで住まいについて深く考えたことはありませんでした。
あまりこだわりが無い性格なので、
家賃が安くて住めればなんでもいい!
っていう考え方をしていました。
むしろ、ローンを組んでマイホームを購入すると、大きな負債を抱えることになります。
住宅を持つことは、自分にとって良い選択肢とは思えませんでした。
しかし、これからどんどん仕事がテレワーク化していくことを考えると、自分にとって幸せにつながる住宅のあり方をより考えていかなければならないと思います。
小さい住宅で十分なのか?プライベートと仕事のメリハリができる住宅の方が良いのか?
住まいに対する価値観を再確認する一冊でした。
私はテレワークで仕事をしているわけではありませんが、副業としてWebライティングの勉強とブログ運営をしています。
なかなか記事の執筆がはかどらないことが悩みでしたが、本書のゾーニングに当てはめてみると解決策が見えてきました。
よく考えたら、副業(Work)をする部屋は寝室(Relax)です。
寝室は旦那のゲーム部屋(Play)でもあるので、なかなかはかどらないわけだと納得しました(笑)
先ほど紹介した「ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか」は、新型コロナの流行によって「働き方」と「住まい」にどのような影響がもたらされるのか、膨大な資料を基に解説した良書です。
いまリモートワークをしている人はもちろん、将来フリーランスへの転身を考えているなど、自宅で勤務する人におすすめしたい一冊でした。