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【17人のうつ病体験に学ぶ】うつになるきっかけ・回復するきっかけ

Kada
Kada

うつ病は、心のガンだ!!!

 

『うつ病は心の風邪です。誰にでも起こります。』

近年はそんなメッセージをよく耳にするようになりました。しかし、うつ病は心の風邪なんて生易しいものではなく、心のガンともいえる辛い病気です。

ただの風邪だったら休むことに対して罪悪感を覚えるかもしれませんが、ガンなら治療に専念することは何もおかしくないですよね。

    

そんなうつ病の病態と、うつ病から回復した方法を描いた漫画があります。田中圭一さんの、「うつヌケ」です。

この記事では、うつヌケの体験談から見えてくる、うつ病になるきっかけと回復法についてまとめていきます。

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この本はこんな人におすすめ!

・17人のうつ体験を通じて、17通りの克服過程が分かる
・「辛いのは自分だけではない」と思え、絶望的な不安感から抜け出すきっかけになる
・かわいい絵柄で読みやすく、うつ病について知る入門書として適している

   

うつの病態を知るのに最適な漫画「うつヌケ」

私は、新卒で入社した会社で無理をしてうつ病になり、転職後に回復した経験があります。そんなときにお世話になった漫画が、この「うつヌケ」でした。

本書の著者は田中圭一さん。サラリーマン兼業の漫画家であり、パロディを題材とした同人誌も創作されている方です。そして、田中さん自身もうつ病によって苦しみ、そこから脱出した経験があります。

うつで苦しむ人々の力になるため、様々な人たちの体験談をまとめ、発信されている方です。

   

本書の絵柄を見て、思うことはありませんか??

 
 

赤塚不二夫や手塚治虫の絵柄に似てる・・・!

それもそのはず、本書は有名な大御所漫画家の画風を真似しながら、うつ病の体験について描いたパロディ漫画なのです。

      

かわいい絵柄ですが、内容は本格的。

17人のうつ病体験を取材し、17通りのうつの実態と克服法を描いています。

そのインタビュー先は、サラリーマンや編集者、OL、精神科医、AV監督と様々な職に就いている人々です。なんとアーティストの大槻ケンジさんもいます。

    

うつになるきっかけは「自分を嫌いになること」

17人のうつ体験を読み進める中で、見えてくるものがあります。うつ病になるきっかけと、うつから脱出するきっかけには法則があるのです。

   

「自分を嫌いになること」

これがうつ病のきっかけと言って差し支えないでしょう。

有名な精神治療法である森田療法では、神経症は「こうあるべき」という感情にとらわれることによって発症するとされています。「自分はもっと理想の自分に近づかなければならない」「今のままじゃだめだ」と思い込み、現状の自分を嫌いになることは大きなストレスです。

    

なお、これに当てはまるのは、責任感が強くて自己嫌悪に陥りがちな人に発症する従来型(メランコリー親和型)のうつ病です。

いわゆる「新型うつ病」に関しては、まだ研究が進んでいないこともあり、この定義に当てはまっているかどうかは未知数だと思われます。

       

他人を傷つけるのはダメで、自分は傷つけるのはOKなんて絶対にありえない。

   

うつヌケ 田中圭一(著)p157より抜粋

私の場合は、前職(健康食品の電話営業でノルマがきつかった・・・)で仕事が好きになれずに落ち込んでいるときに、「おまえはダメな奴だ!」とずっと自分を責めてました。

Kada
Kada

正直辛かった。

しかし、「おまえはダメな奴だ!」なんて周囲の人に伝えたら、明らかに人間関係が破綻します。自分なら責めてもいい、辛く厳しく当たっても良いなんてことはありません。

     

うつ体験から見えてくる、うつへの対処法

うつから脱出するきっかけは、「自分を嫌いになる」ことの反対で、自分を好きになればよいのです。いわゆる自己肯定。17名の体験記を読むと、皆程度の差はあれど、現状の自分を否定しない状態になることができています。

     

 
 

といっても、自分を肯定できないからこんなに辛いんだけど・・・

「自分を好きになりましょう!」と言われて、すぐに考え方を転換できる人はそういません。かといって、そのままの状態で居続けるのも自分が辛くなるだけです。

少しでも自分を肯定できるようになるために、まずは環境を変えること。

自分を否定するもの、例えば辛い仕事や人間関係、自分の本心とは違う活動からは遠ざかり、自分を肯定してくれるものや、本心からやりたいと思えることに近づくことが第一歩です。

     

自分を支えるものが何もない人は、元気が出てきた時でいいので、小さな達成感を得られる「なにか」を見つけることが大切です。プラモデルだったり、読書だったり、散歩だったり。

始めは、「小さなことなんてやったって何にもならない」と思います。その気持ちはすごくわかります!

Kada
Kada

寝てばかりじゃだめだと思ってフェルトで人形を作ったのに、やってることが無意味だと感じてすぐ捨てたこともありました・・・(かなり重症のとき)

しかし、長く時間をかけるうちに、その小さな行動が効いてきます

17名の体験談を読んでいると、回復の道程は様々ですが、「肯定や小さな達成感を通じて自分を好きになる」という本質は同じのように感じます。

   

うつ病で辛い時は、同じ病気で苦しんだ人の体験談が効く

自分が辛い状態の時に、同じ病態で苦しんだ人たちの体験談は効きます。

「自分だけが辛い状態ではない、この状態には終わりがある」と思えることは、出口のないトンネルをさまよっている時期の助けになりました。

Kada
Kada

自分だけが辛い状態じゃないって言っても、「もっと頑張らなきゃ!」っていう意味じゃないよ!

   

私の場合は精神科医に休むよう言われても、1年間は前職を続けました(単純に辞めることに罪悪感があった・・・)。そんな私が、この漫画を読むことで、自分もうつを体験した人達と同じように休んでいい、仕事から離れていいと思えたことは貴重です。

不安な気持ちがすべてなくなるわけではないけれど、不安とうまく付き合って、自分自身をフラットな視点で見ることができる日がかならずやってきます。

    

漫画を読むような気力もない時は、無理せず休みましょう。たくさん休んで、少し気力が湧いてきたころに読んでみてほしい漫画です。

もちろん、うつについて知りたい!っていう方にもおすすめです。

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