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自分を確立して、自由に生きるには|全部すてて、身軽になろう

インターネットとSNSの普及で、「自分」を貫くことが難しい時代になったと感じています。

Kada
Kada

SNS上で思わぬ非難を受けて、自分が悪いように感じたり、
自分が好きな商品がAmazonレビューで悪い評価を受けて悲しくなったり・・・。

自分の意見を発信するだけではなく、受け取る情報も、数年前に比べて格段に多くなりました。
そんな情報過多の時代でも、自分自身を見失わずに生きていくことができる人に憧れます。

本日読んだのは、経営者の中野善壽氏が語る、個の時代で自立するための生き方が学べる一冊「ぜんぶ、すてれば」です。

   

著者、中野善壽氏ってどんな人?

まず初めに、本書の著者である中野善壽(なかのよしひさ)氏について紹介します。

中野氏は、1944年生まれの75歳。元寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOです。

千葉商科大学を卒業後、伊勢丹、鈴屋、台湾企業などで異例の実績を残しました。

また、近年では、天王洲エリアにある寺田倉庫の経営改革を実施し、顧客のモノを預かるサービスだけではなく、街の外観を整える事業を起こすなど、エリア開発にも力を入れています。

Kada
Kada

倉庫の会社とは思えないぐらいオシャレなホームページです!

駆け出しのアーティストを応援する場所を作るなど、アートの普及にも力を入れておられるようです。

本書の中では、『日本の経営者の中でも破格の存在である(p36)』と評される場面もありましたが、ご本人はあまりメディアに露出しません。

目立つことを嫌い、名前は知られているものの実像が見えてこない経営者という印象も強かったようです。

    

「ぜんぶ、すてれば」ってどんな本?

本書は、中野氏自身が書いた本ではありません。

執筆は聞き語りの形式で、本書の中にはインタビューによって引き出された言葉が並んでいます。

2ページごとに内容がまとまっており、題目に合わせた中野氏の考え方が列挙されているスタイルです。
例えば、こんな内容。

・今日できることは、今すぐやる。明日死ぬかもしれないから。

・所有は安定を生まない。ものを捨てれば、自由になれる。

・会社はただの箱でしかない。愛社精神なんて持たなくていい。

個人的には、3つ目の内容に非常に好感が持てます。
本書の中でも、自分の立場や肩書きにこだわらない、飾らない経営者だと書かれていました。

本書のジャンルとしては、ビジネス・自己啓発書になるのでしょうか?

しかしそれ以上に、一人の人間の生き方を対談形式でまとめた本という印象が強いです。

    

自分自身を楽しくする生き方『今日がすべて』

さて、そんな中野氏が大切にしていることが、一番初めに出てきます。

それは、何も持たないことです。

何も持たないからこそ、

過去に縛られず、未来に悩まず、

今日を大切に生きることができる。

ぜんぶ、すてれば 中野善壽(著)Discover出版 p5より抜粋

なんと中野氏、お酒もタバコもせず、家も車も時計も持たず、お金は今の生活に必要な分以外は寄付しているとのこと。

Kada
Kada

す、すごい!!

ここまでストイックすぎると、楽しいのかな?とも一瞬思いますが、それが中野氏自身の生き方であり、自分を貫いているからこそかっこいいとも思います。

ミニマリストという言葉も大分一般化しましたが、自分自身の価値観を理解していて、最低限のモノで暮らしている姿に憧れを頂きます。

家やお金に縛られると、身軽になれません。
モノを持てば持つほど、何かに縛られるほど、「今に集中する」ことはできなくなるものです。

そんな状態では、自分自身が何をしたいのか、何をすべきなのかが見えてこなくなることがあります。

様々な企業に恐れを持たずに飛び込んで、多大な活躍ができたのは、自分自身を縛るものを無くして、颯爽と生きているからだと感じます。

   

思い付きで始めたことが、思わぬ展開を呼ぶ

本書の中で、中野氏のフットワークの軽さを示すエピソードが載っています。

海外で暮らしたいと思っていた中野氏は、それまで働いていた会社の環境が、自分の望まない方向に変わっていくように感じ、退職を決意。退職した後は、次の日には空港に行って、シンガポール行きの飛行機に乗っていたそうです。

そして、経由地の台湾で降りて(理由は、「ここでもいいや」と思ったから!?)入国してそのまま住み着いてしまったとのこと。

入国後は台湾総督府にアポなしで突撃し、「台湾のものづくりを活性化する」という内容についてプレゼン。
内容が気に入られ、中国生産性センターで講義を任されるようになりました。

Kada
Kada

滅茶苦茶だ・・・。

何も決めずに、何も持たずに行動したことが、思わぬ展開を呼びました。

誰しも、自分の思い付きで行動をすることがあると思いますが、中野氏の場合はその規模がデカすぎる。

それだけ普段から多くのことを考え、実行してきたからこそだと思います。

   

自立したい人へ、生き方を考えるヒントになる一冊

本書をおすすめしたい人は、自分自身の生き方に自信を持てない人です。

本書を読んで、中野氏の考え方に共感できる個所もあれば、内容に納得できない個所もありました。

しかし、自分自身を貫き、自分の居たい場所で結果を残していく生き方は、経営者としても、一人の人間としても好感が持てます。

本書を貫くテーマは、「今日の自分を妨げるものを捨てて、自分のやりたいことに夢中になる」というシンプルな内容です。

複雑化した仕事や、発達しすぎたテクノロジーに追われる現代人には、これがなかなか難しい。

本書では、中野氏が自分自身のやりたいことを大切にするために、気を付けていること・考え方が載っています。

  • 仕事は人が中心で、会社が道具だと考える。夢中になれる感覚があればそれを大事にする。
  • 医食同源の考え方を大切にして、有機野菜を中心とした食事をとる。
  • 「何から先にやればいいのか」なんて考えず、思いついた順に、なんでもすぐやる。
  • 目標を立てず、頑張りすぎたらやめていい。

文章化された優しい語り口の生き方に、自分自身を大切にして生きるヒントをもらえます。

先の見えない将来に疲弊する前に、自分を身軽にし、「今」に集中して、やれることをやる。
そんなシンプルな生き方に触れられる一冊だと思います。

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